犬猫生活

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元ペットショップ店員で今はトリミングサロン経営。愛玩動物飼養管理士1級保有のトリマーが犬猫のこと書きます。

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珍しい日本犬「狆(ちん)」の性格や飼い方を元ペットショップ店員が解説

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C'Patty (Cow Patty)

日本犬の代表格といえば皆さんが思い浮かべる犬種は柴犬や秋田犬かと思います。しかし、日本犬らしからぬ風貌をしているのに、全然知名度が無い日本犬がいるいのは9割の人が知らない「狆(ちん)」について解説していきます。

上の画像は狆の画像で、日本犬とは思えない姿をしていますよね。

 

 

日本原産の犬、狆(ちん):

一見ペキニーズのような風貌で、名前の中国の犬のような狆(ちん)ですが、れっきとした日本犬の犬種であり、奈良時代には狆が中国に送られた記録も残っているくらいに歴史がある犬種になります。

ペキニーズとの違いは、毛の色が白と黒が混ざっていて、鼻がシーズーのようにほんの少し長さがあります。

 

 狆という名前の由来は「小さい犬」という言葉が短縮されて狆になったと言われており、狆のご先祖はペキニーズやラサ・アプソ、スパニエル系の血が混ざっているとされており、見た目で推測出来るような風貌をしています。

江戸時代には各地の大名がこぞって飼い、一種のステータスとして飼われていた犬種でもあります。

 

狆(ちん)の特徴:

大きな瞳に鼻が短くとても愛嬌がある風貌をしています。パグやシーズーなどの短吻種(鼻の短い犬)が好きな方にはたまらない見た目であり、一度見ただけで一目惚れをする方も少なくない犬種です。

白黒の2色の毛色の模様は、パーティーカラーと呼ばれ、毛質は絹のようなシングルコートの犬種です。

 

姿は胴長ですが手足が長くスラリとした印象を持ちます。

洋服はダックスフンドサイズを着せている飼い主さんが多いようです。

 

無駄吠えも他の犬種と比べ多くはなく、あまり吠えない犬種の一つです。

吠えたとしても響きにくい吠え方ですが、しつけができないと吠えるようになってしまうので、無駄吠えをさせないためには小さい頃からのしつけは大事です。

関連記事では、無駄吠えの原因と対策を解説しているので、これから新しく犬を飼おうとしている方は、必ず確認をしてほしい記事です。

関連記事>>>無駄吠えが少ない犬種・多い犬種!無駄吠えの原因と対策も解説!

 

狆(ちん)の性格:

柴犬などの定番の日本犬に比べ、掛け合わされた犬種が、ペキニーズやスパニエル系ということもあり、伴侶動物としての素質が高い犬種で、また長い間可愛がられていたので、人や犬が好きで、大人しい性格をしている日本犬らしからぬ性格をしている珍しい犬種です。

 

ただ、少し頑固な一面もあり、小さい頃からしつけをしっかりしないと、ワガママな成犬になってしまうので注意しましょう。

 

狆(ちん)の平均体重:

理想は2〜3kgとされていますが、それ以上に大きくなることは多く、大きい子だと10kg近くになる狆もいます。

ただ、全体を見てみると、3kg〜5kgほどが平均体重になります。

 

太っていなくても、骨格がガッチリしている子はこのくらいの大きさになることもあります。

他の犬種でも言えることですが、メスのほうが小さくなることが多く、オスの方が大きくなる傾向があります。

関連記事>>>オスとメス同じ犬でもぜんぜん違う!性別で分かる性格差やライフスタイルの違い

 

狆(ちん)の価格:

平均相場は15〜20万ほどの価格で、特別高いというわけではありません。

しかし、白黒の毛色より、赤白の毛色の方が珍しいので50万の価格がついていることもあります。

 

犬は毛色の珍しさによって大きく値段が変わるので、赤白の毛色の子を飼いたい場合、値段は覚悟しておいた方がいいです。

関連記事>>>ペットショップで犬猫が安い理由を元店員が暴露します

 

狆(ちん)の平均寿命:

狆の平均寿命は12〜14歳と言われていて、他の犬種と比較をしても平均的な寿命と言えます。

平均寿命以上に長生きをさせたい場合、ドッグフードにこだわってあげることで、病気やアレルギーになるリスクを減らすことができます。

関連記事>>>プロが徹底的に教える良質なドッグフードの選び方

 

狆(ちん)の病気:

ヘルニア

胴体が長いのでヘルニアのリスクが他の犬種よりも高いので、階段などの段差はなるべく乗り降りさせないようにした方がいいです。

また、肥満にさせてしまうと、腰への負担が大きくなってヘルニアが発症することになってしまうので、狆は他の犬種より「体重コントロール」をしっかりする必要があります。

 

目の外傷

他にも、目がクリクリで他の犬種よりも大きいため、散歩の時に草むらに入って草で眼球を傷つけないように気をつけてあげましょう。

犬は夢中になってしまうと、草に突っ込んでケガをすることは、意外と少なくありません。

 

いびきが酷い時は注意

 鼻腔狭窄(びくうきょうさくしょう)や軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)などに注意が必要です。

鼻の低い短吻種に多く、症状として「鼻水をよく飛ばす」「いびき」などが挙げられ、悪化をすると呼吸困難で酸素が不足して、失神をしてしまい最悪の場合、死んでしまうこともあります。

 

ただ、鼻の低い短吻種は、いびきをすることは多く、狆も鼻が短いので他の犬種よりもいびきを姿をよく目にすると思います。

 

いびきをしていても、鼻の構造的に仕方ないですが、いびきが酷い場合は注意をしてあげてください。

もし、あまりにもいびきが酷くて心配な場合、いびきの状況を動画で撮影をして、獣医に見てもらってもいましょう。

 

気管虚脱(きかんきょだつ):

気管虚脱とは、咳や呼吸困難など、呼吸が正常にできない状態のことで、短吻種や肥満犬に多く見られる症状です。

咳を頻繁にしたり、呼吸が苦しそうな場合、なるべく早く獣医に診てもらうことが大切です。

処置が遅れてしまうと、肺や脳に深刻だダメージが残ったままになってしまいます。

 

顔周りの汚れ

顔まわりのシワに汚れが溜まりやすいので、こまめに拭いてあげて清潔に保ってあげます。

汚いまま放置をしてしまうと、雑菌などが繁殖して涙やけなどの原因になってしまうので注意しましょう。

 

斜視は少なくない

狆やパグのような目がクリクリで大きい犬種は、斜視のことは多いですが、極端な斜視でなければ、生活する上で特に問題はありません。

成長過程で正常になる場合もあるので、個性の一つとして考えることもできます。

 

狆(ちん)の飼いやすさ:

人が好きな性格でしつけもしやすいので、狆は今まで犬を飼ったことがない初心者でも、非常に飼いやすい犬種の一つです。

体重も比較的軽いため、一緒にドッグランや旅行に出かけたりするのも負担にならず、アクティブにでかけたい人には非常に飼いやすい犬種です。

 

関連記事では、人気犬種ランキング上位の飼いやすさを、元ペットショップ店員で現役トリマーの私が解説しているので、興味がある方は見てみてくださいね。

関連記事>>>人気犬種ランキング上位15位の性格や飼いやすさをトリマーが評価します

 

狆(ちん)の飼い方:

抜け毛が多いので、子犬の頃からブラッシングに慣らしてあげないと、成犬になってからブラッシングを嫌がるようになってしまうので注意しましょう。

また、人は好きですが、小さい頃に飼い主さん以外の人と触れ合わないと、人見知りの犬になってしまうので、子犬の頃から家に友達など呼んで、触れ合う環境を積極的に作ることをオススメします。

 

散歩時間は体も小さいので20〜30分も行けば十分です。

雨で行けない日は室内でおもちゃなど使って一緒に遊んであげましょう。

 

カットは必要ないが、抜け毛が多い:

狆はカットの必要はないですが、抜け毛が多く、毛の生え変わる換毛期はかなり抜け毛が増えるので覚悟をした方がいいです。

 

夏場にサマーカットをする場合、バリカンで毛を刈ってしまうと毛が生えてこなくなる可能性もあるので、狆はなるべくバリカンのカットは避けたほうがいいです。

どうしても行いたい場合、下記関連記事で対策を書いてあるので参考にしてみて下さい。

関連記事>>>犬をバリカンでカットしたら毛が生えなくなってしまうリスクと対策!サマーカットは要注意!? 

 

狆とペキニーズとの見分け方:

かなり外見が近しいペキニーズとの簡単な見分け方は、狆は手足がペキニーズよりも長くスレンダーな雰囲気を持っています。

また、鼻もペキニーズよりも長く、毛の量は少なく白と黒の2色のパーティーカラーでポイントを抑えれば簡単に見分けることが出来ます。

 

下の画像はペキニーズの画像です。

ペキニーズのほうが胴長短足で全体的に体が大きく、毛の量が多いです。

鼻は狆よりも低く、鼻の上に肉が乗ることもあります。

peke!

江戸時代には狆専門の医者がいた:

江戸時代に大名の間にブームとなった狆は、狆を治すための医者が居たと言われており、日本における獣医の走りとされています。

それほど狆は有力者に可愛がられていた日本古来の犬種となっています。

 

日本犬だけど外飼いは出来ない犬種:

狆はシングルコートで毛の量が柴犬などと比べると少なく、水を弾く事ができないので外飼いで飼育することは出来ません。

昔から室内で飼う為に作られた犬種でもあるので、外で飼いたい場合は柴犬などの日本の四季に対応できる犬種を選ぶようにしましょう。

関連記事>>>外飼いをすると寿命が縮む?外飼いできる犬種、できない犬種

Japanese Chin

ただあまり人気がないからペットショップで見つけられない:

日本犬なにの柴犬と比べると圧倒的に知名度が少ないため人気がなく、ペットショップで見つけることは中々難しい犬種です。

飼いたい方は大手のペットショップで店員さんと話をして仕入れてもらうか、直接ブリーダーを探して見てみることがいいでしょう。

 

まとめ:

日本犬なのに日本人の多くが知らない狆は、何百年も前から日本人に愛されていた犬種です。

見た目の愛嬌や性格の良さは柴犬などの定番の日本犬とは全く違う雰囲気があり、初心者でも飼いやすい犬種でもあるので、柴犬だけではなく注目をしてもらいたい犬種ですね。

 

次の記事>>>外飼いをすると寿命が縮む?外飼いできる犬種、できない犬種

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