保健所に保護された犬猫を引取る為に準備すべきこと
保健所で保護されている犬猫の頭数は減少傾向にあり、犬は飼い主を見つける譲渡会に参加しても犬を引き取れないことがあるようです。
私も2015年の夏頃に保健所から犬を引き取りをして、今は立派な看板犬として活躍してくれています。
譲渡会は犬だけではなく、猫も数多くいるので、これから犬猫を飼おうと思われている方は、ペットショップという選択肢以外にも保健所から引き取るという選択肢も増やしてみてはどうでしょうか。
保健所から犬猫を引き取るときのポイントや、どんなことをするを実体験を踏まえて書いていきたいと思います。
- 保護犬・保護猫を引取るまでの流れ:
- 譲渡後に行うこと:
- 用意するもの:
- しつけについて:
- 保健所に保護された犬猫を引き取るときの心構え:
- 金銭的なこと:
- オスメスの違いについて:
- すでに犬猫を飼っている場合:
- 避妊・去勢の意義:
- 抜け毛について:
- 手入れについて:
- 病気になった時:
- ペット保険:
- 高齢者が飼う場合:
- 最期に:
保護犬・保護猫を引取るまでの流れ:
保健所により多少引取るまでの流れが違う場合があるので、正確な流れは引取る保健所のホームページを見て確認をしてください。
ここでは私が実際に犬を引取るまでの流れを紹介します。
ただ、犬だけの流れではなく猫も一緒の流れでした。
①引取る先の保健所のホームページを確認
ホームページに犬の写真が掲載されているので事前にどのような犬猫がいるか確認。
だいたいの年齢や性別が書いてあるので参考にする。
②犬猫の飼い方講習会を受講
飼い方講習会に受講をしなければ引取ることが出来ません。
すでに飼っている場合でも受講は必須です。
犬を飼っていても意外と知らないこともあり、再度勉強する機会にもなると思います。
③飼育環境調査
飼育環境調査は住んでいる環境や家族構成などを確認されます。
私が実際確認された項目は下記の項目です。
・住んでいる環境(マンションか戸建て)
・もし飼えなくなった時の引受先
・他にペットを飼っているか
・一生責任を持って飼うか
・しつけもしっかりするか
・もし飼っている場合は仲良くできそうか
・病気になってらしっかり病院に連れて行くか
・なぜ保護犬を引き取ろうと思ったのか
特に細かく確認されたのが、すでに飼っている犬についてでした。
相性が悪くて飼えなくなるケースもあるようで、性格や仲良くできそうかを念入りに確認されました。
③マッチング
実際に保護された犬と触れ合って、犬との相性やどの子を引き取りたいかをチェックします。
人懐っこい子もいれば、少し警戒心が強い子もいるので、自分の環境とマッチしているかを確認ができます。
すでにペットを飼っている場合は、自分の好みだけではなくペット同士の相性も考えながら選んで上げる必要があります。
複数人希望が同じだった場合はじゃんけんで引取る相手を決めました。
私の地域では引き取りてが多いようで、毎回じゃんけんして決めているようです。
④連れて帰る
マッチングが決定したあとに、譲渡関係の書類を書いて狂犬病注射代の2,640円を支払いなどを行いました。
私の場合はすでに道具が全て揃っていたので、その場で引き取って家に連れて帰りました。
譲渡後に行うこと:
【報告内容】
・引き取った子の名前
・家での様子
・健康診断の結果
・鑑札番号(犬の場合)
・注射済票番号
・去勢・避妊の実施報告
家庭訪問する場合もあるようですが、私のところには家庭訪問はありませんでした。
実際犬をすでに飼っていたのと、トリミングサロンを経営しているプロなのでなかったのかもしれません。
用意するもの:
譲渡されるときにも必要なものの説明を受けますが、大雑把な説明だけなので詳しくは下記を参考にしてみてください。
プロ目線で選んだ物なので間違いはない商品ばかりです。
猫を引取る場合は犬の用意するものは飛ばしてください。
犬の場合:
・ケージ
家の中で放し飼いをしていると動き回って疲れてしまうこともあるので、安心して寝ることができる犬用の部屋になります。
お留守番をする時にも物をかじったりしてイタズラしてしまうことを防げるので、普段からこの中で寝るようにしつけをしましょう。
大きさもコストパフォーマンスも高いのでマルカンのケージはオススメです。
・キャリー
外出用のケージは動物病院やどこか車で移動するときに重宝します。
車でケージに入れておかないと車酔いの原因や、運転席に犬がきて事故に繋がることもあるので、必ず車の中では外出用のケージに入れて移動をしましょう。
犬は車酔いをしやすいのでストレスが軽減されます。
・トイレ
トイレもトイレシーツをイタズラしてボロボロにしてしまう子もいるので、メッシュになっているタイプのものを選んでおくといいです。
はじめて犬を飼う人はトイレシーツがイタズラされるのを知らない人も多いです。
・トイレシーツ
トイレシーツは1回で2回くらい吸える方が経済的です。
安くて多いものもありますが、吸収力や消臭力が全然違うので、デオシートはほかのペットシーツより吸収力や消臭力が高く値段もネットだと安いです。
・食器
食器はなんでもいいです。
・水飲み食器
水が飲めればなんでも大丈夫です。
・ドッグフード
人間も一緒ですが”食”は健康の基本となります。
10kgで2,000円ほどのドッグフードも売られていますが、絶対に避けた方がいいドッグフードです。
ニュートロのシュプレモはコスパが高いフードなので、最低でもこのクラスのドッグフードを選んであげたほうがいいです。
ネットで飼うとペットショップで買うよりも安く、玄関まで重いドッグフードを届けてくれるのでオススメです。
・リード
基本的にはなんでも大丈夫ですが、リードは伸び縮みする伸縮タイプのリードは避けましょう。
リードを伸ばしたままだと犬をコントロールできなくなってしまって、車に轢かれたりしてしまうかもしれないので、必ず伸び縮みしない普通のリードを選びましょう。
プロはしつけで伸縮タイプのリードは絶対に使いません。
・首輪
首輪はしつけ重視のものを最初は選んだほうがいいです。
ハーフチェーンの首輪は、犬の首にショックが与えやすいので引っ張りグセやムダ吠えのしつけには一番効果があります。
ハーフチェーンでしつけをしっかりとした後に好みの首輪に切り替えましょう。
猫の場合:
猫の場合は犬ほど必要なものがないのですが、必ず必要なものになってきますので、下に載っているものは一通り揃えてあげましょう。
・ケージ
ケージは用意してあげたほうが安心して眠る場所になりますし、留守番中のイタズラ防止にもなります。
猫は本能的に上下運動を好んでするので、必ず猫用の背の高いケージを選んであげましょう。
犬用は高さがなく平面的で猫にとってストレスなので絶対に使わないようにしてあげてください。
・キャリー
キャリーも動物病院や外出するときに必ず必要なので用意をしましょう。
上からも取り出せるタイプの方が出し入れが楽です。
リッチェルのキャリーは値段も機能性も満足いくものなのでオススメです。
布タイプのものだと安定感がなくストレスをかんじてしまうので、キャリーはかならずハードケースを選ぶようにしましょう。
・キャットタワー
部屋の中だとなかなか上下運動する場所がなかったりするので、そこで必要になってくるのがキャットタワーです。
高いところが好きな猫は自分で上手に登ってくつろげる空間になります。
・爪とぎ
猫の爪は伸び続けてしまうので、壁や床をガリガリして爪を短くして家をボロボロにしてしまいます。
家をボロボロにされないためにも、必ず爪とぎを用意してあげましょう。
・トイレ
トイレはフード付きの方が猫砂が飛び散らないのでいいのですが、フードがついていると警戒して中に入らないこともあるので、その場合は少しずつ慣らしてあげてください。
・猫砂
猫砂の選び方としては粒子が小さく香り付きのものは避けましょう。
人間より嗅覚が発達しているので警戒をしてトイレをしなくなってしまいます。
また、固まりがイイほうが手入れも楽なのでオススメです。
ただ、猫砂は猫によって好みが違うので、その子にあった猫砂を選んであげることが大切です。
・キャットフード
人間も一緒ですが”食”は健康の基本となります。
安いキャットフードも売られていますが、絶対に避けた方がいいキャットフードです。
ニュートロはコスパが高いフードなので、最低でもこのクラスのドッグフードを選んであげたほうがいいです。
ネットで飼うとペットショップで買うよりも安く、玄関まで重いキャットフードを届けてくれるのでオススメです。
・食器
食器はなんでも大丈夫です。
好みのものを買ってあげましょう。
足つきで高さがあるものだと食べたり飲みやすいです。
・水飲み食器
こちらもなんでも大丈夫です。
しつけについて:
しつけは犬も猫も必ず必要になってきます。
特に犬の場合はトイレのしつけをすることが最初のしつけになります。
怒ってしつけをしてしまうと怒られないように隠れてトイレをしてしまうことになってしまうこともあるので、根気よく長い時間をかけて覚えさせることが大切で、決して失敗をしても怒らないであげてください。
猫の場合は最初にトイレのしつけや、イタズラするのを止めさせるくらいなので、犬よりも難しくはありません。
猫はもともと一匹で行動をしていたので、マイペースで行動するのであまりしつけでお座りやお手を覚えさせることは難しいです。
一般生活に支障がないように最低限のしつけで猫の場合は十分です。
保健所に保護された犬猫を引き取るときの心構え:
保護犬はトイプードルやアメリカンショートヘアーのようなメジャーな種類ではなく、日本犬や野良猫のような雑種の犬猫がほとんどです。
雑種は親の大きさや姿が分からないことが多く、体重が10kg以上になることもあるので、大きくなっても最後まで責任を持って飼うことが大事です。
猫の場合はそこまで大きくなることはありませんが、警戒心の強い子が多く慣れるまでに時間が掛かるので、根気よく優しく接してあげることが大事です。
その時の状況によって変わりますが、年齢は子犬から成犬までの子が保護されています。
近くの保健所の譲渡会のページをこまめにチェックしてみるといいと思います。
金銭的なこと:
普段生活するだけならお金はペットフード代くらいで足りますが、犬の場合は毎年必ず打たなければいけない狂犬病予防注射やフィラリアの薬、ほかのもノミ・ダニの薬など必ず必要になってきます。
犬猫も長生きをするようになってガンや心臓病などが多くなってきて、治療費は保険がないので100%飼い主負担なので、治療費がとても高くなります。
人間の生活でいっぱいいっぱいの場合は、時間とお金のゆとりが出来てから引取ることをオススメします。
オスメスの違いについて:
犬猫もオスとメスで性格や大きさなどが変わってきます。
特徴を簡単にまとめてみたので参考にしてみてください。
オスの特徴:
・甘えん坊が多い
・メスより大きくなる
・縄張り意識があるのでマーキングする
メスの特徴:
・自立心がある
・オスより小さくなる
・生理がある
より性別の違いについて書いた記事がありますので、詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてみてください。
関連記事>>>オスとメス同じ犬でもぜんぜん違う!性別で分かる性格差やライフスタイルの違い
すでに犬猫を飼っている場合:
すでに犬猫を飼っている場合は先に家にいる先住ペットとの相性をしっかりと見極めて上げることが大事です。
先住ペットも引き取られた子もストレスになってしまうので、先住ペットが犬や猫嫌いの場合は引き取るのはオススメしません。
特に成猫の場合は神経質な子が多いので、新たに猫や犬を受け入れは難しいと考えましょう。
相性がわるいとケガにつながることもあるので、一生別々の部屋で暮らすようにしないといけなくなるかもしれません。
実際に仲が悪く別々の部屋で飼われている方も知っています。
先住猫がいる場合は子猫のうちから多頭飼いをしていると、新しい子が増えても受け入れてくれる可能性が高くなります。
犬も猫も多頭飼いをする予定なら小さい頃から多頭飼いをするようにしましょう。
避妊・去勢の意義:
保護犬を引取る際の条件として避妊・去勢をするということでした。
避妊・去勢をさせることで、捨てられてしまう可哀想な命を増やさないことができます。
賛否両論あるとは思いますが、現状では仕方のないことだと思います。
すでにペットを飼っている場合で、オスとメスの場合は妊娠のリスクがあるので、早く手術をしてあげた方がいいです。
避妊・去勢手術をすることで将来病気に掛かるリスクが低くなるので、子供を生む気がないなら必ずしてあげたほうがいい手術です。
雄の場合は去勢をすることで攻撃性が薄れるメリットもあり、メスも避妊をすることで生理のストレスがなくなるのもメリットです。
生理期間中は犬もいつもと様子が違うので、ストレスが掛かっている子も多いようです。
去勢のメリット:
・攻撃性が低くなる
・望まない子を産まない
・病気になるリスクが減る
・足を上げておしっこをしなくなる
去勢のデメリット:
・手術代が1〜2万円くらいかかる
・ホルモンのバランスが崩れて太りやすくなる
・子供が産めなくなる
・全身麻酔なのでリスクがある
避妊のメリット:
・望まない子を産まない
・病気になるリスクが減る
・生理のストレスから開放
避妊のデメリット:
・手術代が2万前後かかる
・子供が産めなくなる
・ホルモンのバランスが崩れ太りやすくなる
・全身麻酔なのでリスクがある
抜け毛について:
日本犬の雑種が多いので抜け毛は多いと考えておきましょう。
猫の場合も抜け毛は多く、はじめて犬猫を飼われる方は想像より抜けると感じると思います。
手入れについて:
猫の場合はシャンプーなどは必要ありませんが、爪とぎを用意してあげると伸びた爪を自分で調節します。
猫は犬と違い手が掛からないのでほとんど何もしなくても大丈夫です。
犬の場合は月に一度はシャンプーにいれてあげましょう。
日本犬の雑種のため水が嫌いな子が多いので家でのシャンプーが大変なこともあるので、その場合はトリミングサロンでプロにシャンプーをしてもらうことになります。
値段は大きさにもよりますが4,000円〜6,000円程度です。
爪も伸びてくるので爪切りも必要になってくるので、動物病院やトリミングサロンで切ってもらうようにしましょう。
500円〜1000円程度で爪も切ってもらえます。
他にも肛門腺といって、肛門あたりの分泌物が溜まっていて、うんちと一緒に排出する子がほとんどですが、中にはどんどん分泌物が溜まってしまって破裂してしまうこともあるので、2〜3ヶ月に1回は肛門腺をしぼるようにしましょう。
肛門腺も動物病院やトリミングサロンで500円〜1000円程度でやってくれます。
病気になった時:
お金も時間も掛かるのがペットを飼うということです。
病気になって世話がみれないから保健所に連れて行くという飼い主も昔は多かったようです。
今でも0ではないようで、無責任な飼い主にならないようにしましょう。
ペット保険:
ペットは人間と違い保険は任意で入らなければいけません。
保険に入っていないと100%飼い主負担なので、レントゲンや血液検査をして1万を超えることは珍しくありません。
生き物に病気は避けても避けれない道で、寿命も伸びてきて病気なるリスクも上がってきました。
病気になってしまったときの高額な治療費の負担を軽くしてくれる保険は、ここ最近は入っていない人の方が少ないくらいの普及率で、それだけ家族として可愛がっている証だと思います。
関連記事>>>ペット保険を選ぶ3つのポイント!元ペットショップ店員がオススメする保険はコレ!
高齢者が飼う場合:
高齢者が飼う場合に注意をしなければいけないのは、犬猫より先に人間が死んでしまう可能性があるということです。
医療の発達とドッグフードの進化により年々伸びていて、犬の平均寿命は13年前後で猫にいたっては15年前後となっています。
長生きをする猫の場合20年近く生きることもあるので、60歳の人が飼いはじめたら80歳になっていることになります。
もし猫の寿命の前に死んでしまったら、引き取ってもらう先を事前に見つけておく必要があります。
もし途中で飼い主が死んでしまって、引取先が見つからない場合は保健所に戻ってしまうので、最期まで面倒をみるためにはここまで考えておく必要があります。
最期に:
年々減少している犬猫の処分頭数ですが、まだ0とは程遠い数字になっています。
犬猫を飼おうと思ったら大抵の人がペットショップを真っ先に思い浮かべると思いますが、その選択肢にもう一つ保健所から引取るという選択肢が増えてくれれば嬉しく思います。